12月分
先月末に咲いたヘゴ着けミニカトレアの花です。
冬に向かって咲いてくれたので、暖かすぎる所に置かなければ花が長持ちします。
・ 2012.12.10 実生の苦楽
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2012.12.10 実生の苦楽
野菜や園芸植物を種から育てるのは、また一種別の楽しさがあります。
といっても楽なことばかりではなく、かなりの労力と時間が必要になり、また場所を取ることも大きな問題です。
花咲Jもサラリーマン時代から実生が好きで、ランから低木類まで自分の好きな植物はやたらと種を蒔いたものです。
労力と時間を割いてまでして何が面白いかというと、一番には交配育種の面白さだと思います。
それぞれに特長のあるAとBを交配して、自分が想像するものを新しく創り出す夢があるからです。
今から25年も前に蒔いたランの種から、その夢にかなうようなものは片手の指の本数もあったかどうか分かりません。
その労力と時間は、合算すれば膨大な量になると思います。
それでも途中でやめようと思ったことはなく、楽しかったから続けてこられたと思います。
現在はランに限らず実生等によって増えた植物の世話に追い立てられる毎日です。
毎年正月から始まるランの植え替えに続き、今年は真夏にクンシランを植え替え、12月に入ってもクリスマスローズの植え替えなどをしています。
何年も植え替えをしてやれないために枯れていく植物も少なくありません。
季節と時間に追われるようにやっている植え替えですが、切羽詰まらないと実行に移せないのんきな性格のゆえかも知れません。
何かに追われてやることは精神的にも良くないと思うのですが・・。
植え替えばかりしているような日々ですが、園芸の面白さは植え替えにもあって、育てることの楽しみが感じられます。
植え替えは根を見て触ることになりますが、地上部分と同じように、その植物の個性が根にもあって、根の外見や伸び方などから好む環境などが何となく分かります。
ある植物品種の地中の状況を把握するのに、多数の鉢を植え替えてみるのは、根の状態の違いから比較できるという良い点があります。
例えば10鉢が10鉢とも同じ根であることはなく、置き場所・水のかかり具合・日照・通風・植え方・用土等、いろいろな条件による根の状態の変化が分かることもあります。
交配育種を本格的にやろうとすれば大規模栽培の園芸農家となってしまいますから、一つの鉢を育てるためにできる限りの情報を周りの人・インターネット・本及び植物自体から集めて、園芸を楽しむのが良いことだと思います。
毎年秋以降に狂い咲きするフウランがあるのですが、気候変動の影響か今年は特に多いと感じます。
当地方に塩害をもたらした二つの台風のために、庭などに植えられているモミジは春に出たばかりの新葉を落とし、秋には少な目の新葉とともに花も咲きました。
フウランはフレーム内で塩害の影響もなかったのになぜでしょう。
プランターに植えたペンタスの花です。
12月に入って厳しい冷え込みで葉がしもやけのように赤くなってしまいました。
種がいっぱい付いていますが、花や葉の変異もなさそうなので種を蒔くことはしません。
当園に数鉢あるパフィオペディルムのつぼみです。
つぼみが出てからもう1,2か月になりますが、なかなか咲きません。
冬に咲けば2か月くらいは花が持ちます。
花茎がゆっくりと伸び、花持ちも良いのでお得なランと言えます。
カメラで近接撮影すると肉眼で見えないものが写って面白い発見ができます。
花茎やつぼみには細かな毛が密生しています。
何となく南方にいる鳥のくちばしのようにも見えます。
葉形はレリア系のミニカトレアです。
水やり中に咲いているのを見つけて撮影しました。
レリア系にしては花弁に丸みがあるのですが・・。
写真を撮っているとクモが1匹付いていました。
このクモはフレーム内で時々見かけますが、ランの花が咲くと、その花を縄張りのようにして離れません。
撮影のために棚から鉢を取り出して移動しても、指先で追い回しても花の近くから離れません。
まるで花と共生するかのように、花は花を食害する害虫から守ってもらい、クモはそれらの害虫を捕食して生きているのかも知れません。
ランは虫媒花のため、授粉をしてくれる昆虫まで食べられると、本当は迷惑しているのかも知れません。
あまりに逃げないクモなので近接撮影もやりやすいです。
レンズから数センチメートルのところで撮ると、毒々しい姿ではないのですが、手足に生えたトゲは不気味です。
一応当園では、このクモは益虫扱いとしてあります。
カラタチバナの赤木「上巻鳳凰」(あげまきほうおう)の実です。
12月になると、実が色づきを増して鮮やかになりました。
しかし、あまりに近づいて撮ると、普段はそこまで見えないため全く気にならない実の汚れまで写ってしまいます。
カラタチバナの紫木「紫武七百種」(むらさきぶしちひゃくしゅ)の実です。
幹が紫色で実も赤紫色となります。
カラタチバナの青木(普通の緑色の幹)、萌黄葉の多羅葉(葉面にしわを生ずる。)白覆輪種です。
この種類は実の付く柄が短く、幹にくっつくように実が付きます。
白爪覆輪と白散り斑が入る「武七百種」の赤実品種です。
小木でも実成りの良さがカラタチバナの良い点です。
こちらはカラタチバナの赤実原種ですが、生育障害か葉がなくなってしまいました。
フレーム内に地植えしてある木ですが、時々こういう木が出ます。
なるべく早く実を取ってやったほうが、来年の葉が出る可能性は高くなります。
実を取らない場合でも来年の夏まではこの状態を保ちます。
今年は2度の台風に遭い、散々な目にあった皇帝ダリアが花を付けました。
6月19日の台風4号で大多数の幹が根元で折れ、塩害で葉もほとんどやられてしまい、やっと再生したかという9月30日には台風17号でまたも塩害を被りました。
それでも台風など知らないメキシコ産れの皇帝ダリアは11月頃からぐんぐんと成長し、去年よりはぐっと低いのですが2.2mの高さに伸びて花も咲かせました。
上の写真は12月4日に撮影したものですが、その5日後には例年になく早い寒波に全国が襲われ、霜は降りなかったと思ったのですが一晩にして哀れな姿になってしまいました。
ほんの束の間のあで姿でしたが、台風三昧のこの国に風当たりの強さを身に持って知らされた試練の1年でした。
また茎を挿し木にして分身を作ってやりたいと思っています。
いろいろな姿を見せてくれる植物とともに過ごした1年も残りわずかとなりました。
皇帝ダリアも受難の年でしたが、花咲Jも骨折やらパソコンのビックバンやら受難の年となりました。