温室の横に植えてあるキョウチクトウが満開となりました。
花咲Jが挿し木をして植えた株が高さ3m以上になっています。
桜にも似たきれいな花ですが、最近は茂りすぎて枝透かしに追われています。
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・ 2012.8.23 熱中症とは
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2012.8.8 夏ノ暑サニモ負ケズ
梅雨明けとともに連日35℃を超えるような猛暑となりました。
換気扇が回っていてもガラス屋根の温室は外気温より3〜4℃高く(MAX39℃)、ビニールハウスも4〜5℃高く(MAX41℃)なります。
遮光はガラス温室が約50%、ビニールハウスが約60%くらいです。
換気扇も天窓もないアクリル板葺きの小さなフレームは、遮光してあるにもかかわらず 46℃に達し、サウナ風呂状態でした。
人間は汗が噴き出ますが、ランの場合は成長活動を抑えてじっと耐えているようです。
フウランの根先は伸長を止めるものも多く、花を咲かせて費やした養分を蓄えようと休んでいるのかも知れません。
ビニールハウス内に住み着いているガンマー之助は、7月31日の夜、突然姿を現して再会することができました。
去年の10月に姿を消して以来、地面に膨らんだ土饅頭の下に冬眠しているとばかり思っていたのですが、実際はどこにいたのか分からなくなりました。
カムフラージュだったのか・・、土饅頭はそのままで姿を現したからです。
それでも生きていてくれたのは嬉しいことです。
7月31日にかん水して4日目に水やりしましたが、真夏の水やりは日が傾いてから行うので、途中からは暗くなってしまいます。
日が落ちてしまうと蛍光灯を点けての水やりになりますが、この時期は軽くかん水することにしています。
ランは活動を休止していることと、深部まで濡れると乾きが遅くなり、日中の暑さで蒸れやすくなると思い、水苔の表面と葉・露出している根に水がかかればよしとしています。
水苔植えを取り去ってヘゴに着けたばかりのものは、この間隔に加えてこの程度の水やりでは枯れることもあります。
ヘゴに着けて1年以上経過したものは4日に1回の水やりで支障はなく、3年以上経過したものは真夏に1週間以上水をやらなくても枯れることはありません。
自生状態では、真夏に1〜2週間の雨が降らないときは度々あると思います。
先日、ヘゴの原木に各種のランを着け、日陰で10年以上横置きにしていたものをよく見ましたら、ヘゴが腐朽しかかっていたので分解しました。
今までずっとヘゴ着けだからと思い、水やりするときにはたっぷりとやっていたのですが、分解すると常に湿っている状態のヘゴにランの根は入って行かなくなり、ヘゴに食い込んでいた根は黒く枯れていました。
水苔植えもそうですが、いつも湿っている所にランの根は入って行かないように思います。
ヘゴ等にランを着けようとしても、いつもヘゴ等の表面が湿っているとランの根は張り付かないと思います。
町内の共同住宅敷地内にあるキョウチクトウの大株が満開となっています。
幹はそう太くはなりませんが、幹の途中や株元からの枝吹きがよく、勢いづくとあっという間に茂ります。
炎天下に咲く割に花持ちもよく、つぼみが次々に咲くため長い期間にわたって花を楽しませてくれます。
主食にしようとしているプランター植えのトマトです。
6月に来襲した台風4号の塩害で葉のほとんどが黒変したのですが、何とか持ち直して実を結びました。
竿提灯のように並んで着き、下から順番に赤くなっていく姿は面白いです。
鉢植えブルーベリーが早くも色づき、少しずつ食べごろとなりました。
案の定、けたたましい鳴き声とともにヒヨドリがやって来てついばんでいきました。
今年はこの木から3mと離れていない所にヒヨドリが巣を作り、3個の卵を抱卵したのですが猫に感づかれてヒナをかえすことができませんでした。
そういうことがあったため、今年の収穫はヒヨドリに任せることにしました。
それにしてもあのけたたましい鳴き声は、悲鳴と言ってもよく美声にはほど遠いです。
8月7日は早くも立秋ですが、漢名「秋海棠」の名のとおりシュウカイドウが暦どおりにつぼみを出しました。
手を合わせた二枚貝のようなつぼみが品よく出てきます。
カラタチバナの赤木と呼ばれる「上巻鳳凰」の新葉が伸びつつあります。
幹はピンク色で、葉は白ピンク色に出て萌黄葉の品種とまではいきませんが、若干薄い緑色になります。
今年ついた実(写真の実は白色実)は1年間以上枝に着いています。
フウラン×アスコセントラムの当園自家交配種です。
花持ちはフウランより長く持ちます。
花付きは良いのですが、残念ながら香りはありません。
交配により新しい品種を作り出すことは夢があって楽しいのですが、思い通りの形質を持ったランは容易に出てきません。
優れた原種親を選び、たくさんの交配を試すことが良いのですが、膨大な手間と栽培面積、長年月を要するために困難があります。
花咲Jも20年以上前にいろいろと試しましたが、その後20年間の休止となりました。
それでも実生したランが親株になって花を咲かせてくれるのが嬉しいと思っています。
フウランの花は終わりましたがアマミ系のフウランが咲き出しました。
アマミ系は草体も花も若干大型となりますが、引き続いて花を楽しめるのが良いです。
2012.8.23 熱中症とは
8月のお盆休みが始まる頃からクンシランの植え替え作業を始めました。
作業場所としている約40平方メートルのアクリルトタン張りのフレームは換気扇もなく、4面の開口部を開けても中の温度は42℃あります。
外気温もゆうに30℃は超えているのですが、それにしても座っているだけで暑い・・・。
扇風機を持ち込んで風を受けながら、こまめに水分を補給しながらの植え替え作業です。
この酷暑の中、植え替え適期でもないのにやる理由は、植え替えをせずに何年も放っておいたため、このままではジリ貧状態になってしまうからです。
冬から春にかけてはランの植え替えなどをしていて、クンシランはつい植え替え時期を逃してしまいます。
しかし、ここまでくると来年こそはと言っておられない状況です。
フレーム内には寒冷紗を内張りして、さらにキャンプ用品のタープを張って日陰を作っていますが、真夏の暑さを和らげることはできません。
こんな時季に連日植え替えをしているというのは、すでにある意味、熱中症なのでしょうか。
先輩の園芸家TS氏のお宅に咲いたサルスベリです。
この暑さの中で、繊細な花を何か月も咲き続けるパワーはすばらしいと言わざるを得ません。
ミツバチも暑さに負けず頑張っています。
実生7,8年生と思われる9cmポット植えのクンシランを、鉢を切り開いて出した状態です。
少しの用土は根に包まれてほとんど見えません。
鉢の中いっぱいに根が回り、中にはポットを破ってしまうものもあります。
しかし、こんなに盛大な根を見るのは嬉しいものです。
18cm鉢植えの極端な例です。
気づきにくい所にあったとはいえ、こうなるまで何年間かかったのだろうか。
クンシランの新根は最上部からしか出ませんので、新根はランのように空気中を伸びられず短く止まってしまいます。
下の方にある古い根によって生きながらえている状況です。
別の鉢の極端な例です。
下方へ根が伸びて鉢底をグルグル回り、伸びた根の容積分だけ株を上方へ押し上げ、少なからず表面の用土を鉢外に落としてしまいます。
実生7,8年以上は経っているのですが、根詰まり状態のため茎や葉の生育が阻害されています。
鉢底の水抜き穴には目の細かい防虫網を敷いてあるので根が通過できず、防虫網を抱えて株全体が持ち上がり、最大深さ3cmの隙間が生じています。
こうなれば地面と防虫網との間に高さ3cmの隙間ができるのですが、そこへ向かう根はほとんどありません。
根の先端は鉢内の中心方向へ向かうのではなく、鉢の内壁に沿って伸びるしかありませんが外へ外へと向かうようです。
上写真のクンシランの根をほぐしたところです。
9cm鉢から15cm深鉢に植え替え完了です。
用土は粗目のものが良いように思います。
温室の片隅で秋より一足早くシュウカイドウが咲き出しています。
写真を撮るために花をよく見ると、花に2種類あることが今頃になって気が付きました。
一つの花茎に雄花と雌花が咲いています。
こちらは雄花ですが、花粉のみを着けています。
こちらが雌花で花粉のように見えるのはめしべなのでしょう。
花弁の下に三角翼を着けた子房の膨らみがあります。
フウランの未熟種子内部の状況です。
発芽能力を持つようになるまでには、あと1か月以上かかりそうです。
ルーペで見た状況です。
1さやに数万粒の種が入っているということです。
完熟して種子が茶色になると粉のような種子が判別できますが、未熟種子では小さすぎて見えません。
夏に咲いたホヤ(サクララン)の花です。
今年春から20花以上咲いた中で最大級のものが咲きました。
花全体の直径は9cmで、球形にはなりませんが、半球形を上回る形で咲いています。
手のひらに乗る小さなエアープランツに大きなつぼみが出てきたと思いきや・・・。
これがすでに満開の花で、おしべのようなものが覗いています。
ビニールハウスの片隅に置いてあり、植え込み材はなく(現在、根がありません。)ポリポットに入れてあるのみですが、約15年くらい生きています。
クンシランはラン科ではありませんが、根はうどんのように白く太く、シュンランの根に似ています。
地植えにすると、根の伸び方は表面を浅くはって地中深く潜ろうとしません。
シュンランの根も自生しているものは同様の伸び方です。
太い根は保水能力も高いと思われ、生育環境は乾燥に強く過湿に弱いようです。
植物体に比較して大き目の鉢に植えると、成長は悪くなって根の数が少なくなり、枯れる根も多くなります。
この辺もラン科と全く同じ性質です。
耐陰性は非常に強く、したがって直射日光では葉焼けを起こしますが、適度な照度と通風が花付きを良くするようです。