2013年7月分
ヘゴ着けのフウランです。
ヘゴに着けて以来、10年以上経っているものですが、こんなに小さなヘゴの上でも花を付けて丈夫に育っています。
一度ヘゴに着ければ後は手間がかかりません。
・ 2013.7.18 熱中症と幻想
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2013.7.18 熱中症と幻想
熱帯夜が数日続き、3日ほど前に急に涼しい朝が訪れました。
それまでの暑さにはかなわんと思って朝までエアコンをかけて寝ていたのですが、そのせいで風邪のような体調不良となりました。
昨日(17日)は38.2℃の発熱があり、力も全く入らなかったので園芸作業は休止とし、珍しく本屋で小説を買い、寝ながら読むことにしました。
アパートマンション住まいの園芸好き著者がつづった楽しくも失敗だらけのエッセー「ボタニカルライフ」を貸し出したものの返って来ないので、以前からもう1冊買おうと思っていて、どこの文庫本だったかインターネットで検索するうちに、著者いとうせいこうが久しぶりに書いたという小説を知りました。
今春に初版が出た「想像ラジオ」は、東北大震災の津波で流されて杉の木のてっぺんで亡くなった主人公が想像上のラジオのディスクジョッキーをやるという話です。
主人公は芥川冬助、書評では今年の芥川賞候補になっているとのことで、それならば大震災の鎮魂ということもあり本屋に行った次第です。
買ってきたその日の夜のニュースで芥川賞は別の人物が受賞しました。
浄土へ行くことができないでいる死者と死者とのラジオを介しての会話が幻想的でもあり、発熱でぐったりしている自分はその世界に溶け込んでいるかのように感じました。
おまけに今日は朝食中に立ちあがったらかなり強いめまいがして、意識が薄れかけたのでその場で横になりました。
これは風邪薬も飲まずに堪えている風邪と、熱中症の合併症かと思い危ないところでした。
朝食後に読み終えたのですが、こんな状況で魂魄(魂は精神を、魄は肉体をつかさどるたましいという意味だそうです。)の小説を読むと、大震災で命を落とした2万人もの人々の怨念が今も渦巻いているのを感じます。
芥川冬助も少しもうろうとした意識の中でDJをこなしているのですが、それを読む自分ももうろうとして現実と幻想が混じり合い、最適な雰囲気だったのかも知れません。
「読めば涙が止まらない」という帯紙は、最近涙もろいと思う自分が涙が出ず、感受性の足りなさでしょう。
10数年前に購入したボタニカルライフ以来、本を読む時間を作らずに過ごしてきた花咲Jが久しぶりに小説を読んだ感想です。
ランも今年は例年になく早い炎暑にじっと耐えています。
ガンマー之助は5月19日に尋常でない鳴き声(花だより5月分後段)を聞いて以来、声も姿も見せず少々心配なところです。
熱中症と夏風邪には気を付けてください。