2014年5月分
当宅の道端沿いに自生したローズマリーの今年の姿です。
近年は毎年剪定しているのですが、水かけも滅多にやらないのに、すぐに茂ってぼさぼさになります。
それにしてもコンクリートの側溝の境目が広くても3mmしかない隙間に、どうしてこんなに旺盛に茂るのか分かりません。
よほど狭い所が好きなのかと思います。
車にひかれないように小さく剪定しました。
その脇に去年、自然に実生した兄弟もぐんぐんと育っています。
このすぐ上には親木の植わっている土の部分もあるのですが、その辺には1本の実生苗も生えてきません。
・ 2014.5.3 富貴蘭「牛若丸」
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2014.5.3 富貴蘭「牛若丸」
気温も一段と高くなり、植物も今年の活動を盛んに始めています。
花だより3月にてご紹介しました浜名湖花博2014も5月1日の時点で入場者数が50万人となり、予想を上回る盛況と報じられています。
ランの今年の植え替え作業ができる期間も残り少なくなり、楽しみながらも追い立てられるように頑張ってやっています。
今回は昔、花咲Jが思い切って購入を決意した富貴蘭をご紹介いたします。
品種名は今から31年前の昭和58年(1983年)に登録された「牛若丸」です。
その数年後に新品種のうわさ話等を聞きつけ、昭和63年ごろに自宅から車で40分ほどの所にある牛若丸を発見したH氏のお宅に出向いて購入しました。
当時は登録から間もない時期で、園芸誌に紹介されたこともあって、当然ながら今では想像もつかないほどの価格でした。
購入してほどなく植え替えした牛若丸の写真です。
購入してから植え替えた牛若丸の写真です。
日付は1989年(昭和64年・平成元年)3月3日とあり、水苔の一部が若干緑色に変色していることからその少し前に植え替えたと思われます。
購入した日の記憶では、H氏宅の軒下に吊るした風蘭掛けに10鉢ほどあった牛若丸の中から、素立ちではあるも一番大きな株を選んで交渉しました。
また、H氏がかなりの量のクンシランを収集されているのを見せてもらい、その中から数鉢の斑入りクンシランも合わせて購入しました。
当園のクンシランのほとんどは、この時の株が種木となっています。
池田書店刊「富貴蘭」の品種解説では、「葉はラシャ地で肉厚く、丈は長短いろいろで形も良く、湾曲したりしなかったり、それでいて全体のバランス良く重量感みなぎる多芸品である。葉先に鈴虫剣を出したり葉面に縞を現わしたり、そのうえ葉裏にケロイド状ガシ竜が出る。丈夫で子吹きしやすい木である。フウランの中でもユニークな姿で、その堂々の風格は瞠目に値する。この木がさらにフウラン愛好家を増やすことと思われる。付けは様々の形で青軸青根。」昭和58年登録とあります。
特にその付けの特徴は当時の他の富貴蘭に見られないものであり、その写真を見てぜひ入手したいと思っていたものです。
育ててみると性質は強健で、繁殖率もよい品種だと思いました。
少々難点は子株のうち数パーセントですが、かなり大きくなっても葉芸を出さない株が出ることです。
現在は鉢数も増え、どれが元の親株か分からなくなりました。
親木になると花付きもよく、葉芸も出すようになると思います。
この写真も元は1本の親木から生まれた牛若丸ですが、ごくまれにこのように葉芸がないような木が出ます。
葉芸のあまり見られない株でも、付けの特徴はある程度持っているのですが、やはり迫力に欠けます。
購入したころは趣味でランの交配実生を行っていたので、牛若丸を親にした交配も行いましたが、当園では付けや葉の変化のあるものは現れませんでした。
牛若丸は青物変わり葉の中では大型になりやすい品種ですので、多少、葉の芸は少なくても大きく育てるとなかなかの迫力があります。
また、1鉢1鉢の姿が均一になることはないため、何鉢あったとしてもそれぞれに個性的な魅力があります。
付けの変化は急流の渦のように荒れて波打ち、一葉ごとに変幻自在、様々といえます。
葉も短くなって形が変化するものもあります。
葉芸を現わさない株からも、芸のある子を出すこともあり、また、採光加減によっても変化するように思うので、じっくりと育てて芸の変化を待つのも楽しみだと思います。
牛若丸の発見された場所は静岡県駿河地方となっており、当時、静岡県内に野生種フウランが多量に自生していたとは考えにくいのですが、その後、H氏宅へ訪問する機会もなかったので、駿河地方のどこの地の山取りなのかは聞きそびれてしまいました。
採集地を想像すると、南アルプスの懐深く人跡まれな深山幽谷ではないでしょうか。
茎の軸がひねられたようになって葉が出るものもあります。
付けに近い葉裏にガシ竜が出ています。
ガシ竜の出た葉が極端に短くなっています。
直線的な葉が出ることもあります。
はっきりとした縞とは言えませんが、葉裏に薄黄色の縞模様が見えます。(蛍光灯下、フラッシュなしの撮影)