2015年11月分
ヘゴ着けのフウラン×バンダ交配種です。
花付きはよく、無加温でもよく咲きます。
なぜかほとんどの葉が露受葉となる特徴があります。
・ 2015.11.16 肥料と水やりと採光
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2015.11.16 肥料と水やりと採光
高い山からは、時々に雪だよりが聞かれる季節となりました。
当園ではランの他に草花や観葉植物まで含め、やり始めると、きりのない園芸作業に明け暮れています。
季節の節目にやりたいと思うことや、以前から考えていた作業の計画も、計画どおりになかなか実行できません。
作業の計画も日が経つにつれて泡と消えていくのですが、夢と希望だけでも持ち続けたいと頑張っています。
ビニールハウスに住んでいるガンマー之助とは9月20日が今年最終の出会いとなり、10月2日は夕方からの水やりをする終わりの日でしたが出会えませんでした。
その後は日中の水やりにしたため、今度ガンマー之助と再開するのは来夏となります。
ガンマー之助もおそらく高齢だと思いますが、来年もお互いに元気で出会いたいと思っています。
11月では冬眠も早過ぎますから、それまで何をしているのでしょう。
ランも含めて植物は日々動いており、毎日見て変わりないように思っていても、立ち止まって見た時にその変化に驚かされることもよくあります。
また、虫がついたり姿形が乱れたり、予定外の作業はいつも突然のように現れます。
ランを長年栽培されておられる諸氏には、あまりご参考にならないと思いますが、水やり管理等について当園の方法をご紹介いたします。
秋に入ると、かん水の水に混入した液肥を施すのですが、単に水だけかけた時と比較して液肥を混入した時の方が、その後の乾き具合が早いように感じます。
ランが水に溶けた肥料を感じ取り、吸収を盛んにしているのではないかと想像しています。
植物という生命体である以上、光合成の他に根から水分とともに吸収できる栄養分が嫌いであるはずはありません。
以前は栄養たっぷりにと、多めの肥料分(固形肥料)を与えたこともありましたが、着生ランに多肥は禁物と知りました。
着生ランが宿主から栄養分を受け取っていないことからみても、自生地では雨水だけが根から吸収できるものです。
当園では過去の反省等により、かなり薄い液肥を春秋に3回ずつほど施します。
施肥には水道ホースの途中に設ける液肥混入器を使っていますが、ワンタッチジョイントで混入器を通すのと通さないホース経路を使い分けるようにしておくと便利です。
液肥混入器は一升瓶に取り付けるもので、ホームセンター等に売っていますが3,000円くらいで入手できます。
一升瓶には市販の液肥を3〜4倍に薄めたものを入れ、混入器の混入比率は3%のものを使っていますが、それに対して希釈する水の量は膨大です。
ポンプ吐出量不明で水量が計測できないため液肥の比率は感覚頼みですが、一本が空になる時間(水量全開で1時間以上かかります。)とフレーム内の面積からするとかなり希薄だと思いますし、液肥の混入した何立方メートルという水もほとんどは流れ落ちます。
この濃度では気休め程度の肥料だと思います。
液肥混入器の古いものは20年以上も使っていますが、壊れることもなく、肥料を行き渡らせる効果も高くて手軽に使えることから重宝しています。
着生ランに対しても肥料の効果はありますが、無肥料で充分育ちますから多肥は禁物です。
この時季は最低気温が10℃前後になりますが、その温度を指標にかん水の量を減らしていきます。
植物の多くはこのくらいの温度を下回ると生長活動が弱まると言われています。
水苔植えでは乾きも遅くなり、水やりの間隔も徐々に長くしていきます。
10月までの水苔に含ませるかん水量を10としますと、11月は7〜8、5〜6とかん水量の度合いを少なくしていき、12月には水苔の中心部まで濡らさない程度の2〜3程度にする感覚で水やりします。
かん水の間隔や量は置き場所の環境条件、植え方で大きく異なりますが、当園では12月初旬に温室内部のビニール張りをします。
ビニールで二重張りするため湿度は逃げにくくなり、晴天時は高温になるため、設定温度25〜26℃のサーモスタットで換気扇を回します。
それでも植物があまり水を吸収しないので、二重張りした時点で水苔の中心部が濡れていると乾くまで長い日数がかかります。
二重張り後の水苔内部は春までかなり乾燥した状態にしています。
真冬の水やりは10〜15日に1回、かん水量は1〜2程度の感覚で、かん水ノズルの動きを止めずに葉を濡らすくらいの振り掛ける程度にしています。
長い間、ランを作って来て、肥料や水やり以上に重要なものは採光加減ではないかと思います。
どなたのお棚もランの置き場所には様々な条件があるものですが、うまく採光ができなくても、反射光や照明を使うことで克服できる場合があります。
どうしても無理であれば、その条件に合った種類の植物を栽培する方法もあります。
例えば富貴蘭をみても、採光を強くしたいものと、強くしてはよくできない品種があります。
栽培場の遮光は時期により2〜3段階くらいの調整ができると理想的です。
5月〜10月は遮光率を最も強くし、10月下旬に弱くするのが良いと思います。
冬は休眠するからあまり採光を考慮しなくてもよいのかも知れませんが、晩秋から春の間の採光は繁殖と花付きに影響があるように思います。
採光は強すぎると下葉を落としたり、最悪の場合は葉焼けしますので、徐々に何年間もかけて調整するのが安全だと思います。
農家の人に叱られそうな気もするのですが、野菜栽培も素人のJが、5月にスーパーマーケットで売っているミニトマトから取り出した種を蒔いて苗を作りました。
その後、花は次々と咲いても実がならないので、実を結ばなくなったトマトかと思いあきらめていました。
ところが10月も中旬を過ぎてから2,3本の木に実がなり始めたため驚きました。
10月25日放送のNHK趣味の園芸・野菜の時間を見ていたら、すでに茎も葉も枯れたトマトの片付け方を放送していました。
夏の終わりごろに見た隣の畑には、収穫されることもないミニトマトが真っ赤に熟して鈴なりになっていましたが、今はとうに他の野菜が植えられています。
今頃になって葉が青々と繁っているトマトを、周りの人に見られたら恥ずかしい気もするのですが、11月になってからやっと食べることができました。
味はまあまあでしたが、現在も花が咲いて小さな実が次々とできています。
近頃は急に冷え込む日もあり、どこまでの実が色づくか分かりません。
花が咲いて結実しなかったのは、品種改良による雑種等の生殖不能で結実しない不稔性ではなく、単に肥料不足だったのかも知れません。
10苗ぐらい植えたうちのこのトマト(温室沿いの2本だけ大きくなりました。)は高さ1.8mくらいに伸び、枝もネット沿いに大きく広げています。
実はたくさん付きましたが、1,2個が赤くなり始めたところです。
トマトの苗や種を買いに行く手間も省き、地面に植えただけというトマトでしたが、植物の力強さを見せつけられました。
トマトの旬は暑い夏とは言え、時季をずらして早生と晩生(単に生育不良ということですが・・)を植えておけば、長期にわたって食べられることができそうです。
この時季に当園では、ヘゴに着けて数年経ったランの一部のものを少し手入れしています。
枯葉、花がら等を除去し、枯れて針金状になった根も整理します。
春から空中へ伸びた根も折れることなく多少曲げやすくなっているので、根がランの茎と茎の隙間を通るようにして、ヘゴから離れている根が多い場合はヘゴごとヒモ等で縛ってまとめます。
ヘゴから離れて伸びた根はヘゴに張り付きませんが、来年、古い根の先端から伸び出す新根をヘゴに着きやすいようにまとめます。(ただし根が自由に伸びたままでも全く支障はありません。)
茎がヘゴから大きく浮き上がっている場合は、改めて茎をヘゴに沿うような状態にして縛りなおします。
これらの作業は来春まで行うことができ、冬はランの植え替えとともにラン作りで最も忙しい時期となります。
カラタチバナの実が緑色から真っ赤に色づいてきました。
赤色の実は緑色の葉と対照に、温室の中で輝いて見えます。
幹がピンク色になるカラタチバナ赤木の品種です。
赤木の赤実品種(白実もあります。)は夏に結実したときは白色で、11月頃にピンク色となり11月末には真っ赤に色づきます。
写真左の2本は実がまだ白く、中央の木は少し色づいたところで、右側の木はピンク色になっています。
上写真の中央の木は、実の色が微妙に変化するところで、白い実とピンク色の実が混在しています。
鉢植えブルーベリーが紅葉しました。
例年、実がなっても完熟するのを待っているJを横目に、ヒヨドリが一足先に食べてくれるのですが、今年は今までで一番多く実がなったのに食べに来ませんでした。
食べに来ていたのは以前、当宅の窓際のモミジに大胆にも巣を作ったヒヨドリだと思うのですが、来ないというのも少し気になります。
自宅の道路沿いに自然に生えたローズマリーです。
中央上は一番先輩で、自然に曲がった幹の枝先を散髪するだけで道端盆栽になっていたのですが、素人Jが時期も構わず強剪定したため全体の手前半分が枯れてしまいました。
やむを得ず枯れた太枝を付け根から切除し、痛々しい状態となっています。
手前に生えた弟分は2年ほどであっという間に成長し、ぼさぼさの状態です。
右に生えた末弟は、わずか1〜2ミリのコンクリート割れ目に芽吹いたものですが、この先大きく成長できる余地はありません。
まだ車にひかれるような被害には遭っていませんが、根性のあるローズマリーを見守っています。