2018年1月分
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2018.1.7 心機一転
平成30年が始まりました。
植物を育てているとその年によって日照、気温の変化の栽培植物への影響を少なからず感じさせられます。
昨年は11月から気温の低下が早く、現在も葉物野菜の高値が続いています。
当園では4年ほど前からボイラーによる加温を取りやめました。
それ以前も加温とは言え、温室内が0℃以下にならない程度の加温でしたが、地球温暖化によるものか厳しい冷え込みが少なくなったことも止めた理由の一つです。
また、当園のランをご購入された方が加温設備を持たれていてもいなくても、ある程度低い温度に耐えられるものをご提供したいと思っています。
そういう思いとともに洋ラン系のランも20〜30年の栽培を続けてきて、ラン自体が寒さに対する抵抗力を持つようになったと感じています。
南方系のランは自生地において千年万年と生き続けて、その場所の環境に適応進化しているのを、20〜30年の環境変化を与えてその性質が変わるものではありません。
その植物の温度適性の範囲は人間にとってほとんど未知であり、植物の種類の違いはもとより、個体の樹勢の状態による差や、人工的に加える微妙な環境設定の違いにより大きく変わると思います。
南方の自生地から搬入したランを、すぐに無加温で越冬させれば大きな障害が生じます。
徐々に当地の環境に慣らせば、その個体の持つ低温の下限近くまで引き出せるように思います。
数十年に一度のような異常寒波も想定されるので、それは念頭におく必要があります。
低温対策としてはフレーム内をビニールで二重張りにして、気密性により空中湿度をある程度保つようにしています。
植物が必要とする水については、液体から個体と変わる0℃付近は植物にとって大きな節目だと思います。
生長を止めているものとそうでないものとでも違うでしょうが、周りにある水分の凍結により枯れる植物は多くあります。
暖房設備のなかった時代の先人によるフウラン等の冬越し法の一つとして、冬に向かって水やりを減らし最終的にかん水を止めて、ランを仮死状態にして越冬させる方法があります。
こういう方法があることも参考にして、当園では11月頃からかん水の頻度・水量も徐々に減らし、厳冬期は2週間に一度くらいの頻度で葉や根の表面にシャワー状のふり水を与えています。
暖房を止めたり、かん水量を減らすやり方を口実に、昨年の寒さの訪れは早かったのですが、冬支度は例年以上に遅くなってしまいました。
当園にあるガンマー之助の住むビニールハウスは立ててから今年で30年になり、昨年11月にビニールとその上に掛けてある寒冷紗を張り替えました。
ビニールは13年間の使用に耐えましたが、品質の向上により寒冷紗の下に張ればかなりの耐久性があります。
ビニールハウスは他にも老朽化により色々な部分の補修を加えながらの作業となり、12月にかけての予定外の作業日数となってしまいました。
ガンマー之助は一昨年、姿を見せなくなったため、寿命が尽きてしまったものと思っていましたが、昨年5月27日に突然姿を見せました。
その後は、8月1日の日没後の水やり時にも現れ、エサもカメラも持っていなかったためにしゃがんで見ているとずんずんとこちらへ歩いて来て、その予想外の行動を見て動けないでいると、ゴム長靴の甲の上をゆっくりと乗り越えてランの棚下へ歩いて行きました。
ガンマー之助の体にも天敵などを見分ける遺伝子は備わっていると思いますが、あまりに大きな人間は怖くないようです。
思うにガンマー之助は極度の近眼で、昆虫のような近くで動く物体は見分けられるものの、人間の全体像をとらえる視力はないのかも知れません。
そんな風に超近視眼的でおおらかなガンマー之助が生きていたことに安心した一年でした。
今年も年が明けて、毎年のように心機一転してやろうと思うのですが、寝て起きると忘れているのがいつものことです。
いや、そのくらいいつも頑張っているのだと自分に言い聞かせています。
年が明けて何か咲いている花はないかと探していると足元にありました。
寒風の中、フレームのある周囲に生えている雑草の中にホトケノザの花を見つけました。
小さすぎて普段は目にもとまりませんでしたが、よく見ると花も咲き方もなかなか良い花です。
植物の名前ほど形や色、性質等々を考慮して名付けられたものはないと思います。
畑にしている空地に自然と出てきたスイセンです。
田んぼを宅地にする際の残土で埋め立ててあるため、元の所にあったものと思います。
2〜3花が重なって咲く変わり咲きのようです。
万里紅×セッコク赤花交配種の花です。
昨年12月14日まで屋外栽培していたものを無加温フレーム内へ取り込みましたが、日中の暖かさに誘われたのかちらほらと開花し始めました。
それにしてもこれからが冬本番というのに、屋外で早い寒波にさらされ、急にフレーム内へ入れられたので開花を促進されたようです。
他の株も次々とつぼみを膨らませています。
フウラン×バンダ交配種の花です。
こちらは年中フレーム内にあるのですが、同種の他の株も開花しています。
冬に開花すると開花期間が長く眺められ、得をした気分です。
多少幽玄な趣きがあるような気がします。
庭木のカキに着けたフウランです。
いつも逆光となるため、クリスマスイブの日に日没後の撮影としてみました。
水さえめったにやらない放任状態ですが、今回も多数の実を付けています。
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