2023年8月分
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2023.8.4 室内卓上流木着け風蘭とヘゴ着けランの状況
世界ではロシアによる侵略戦争が起こっています。
幾多の戦争を経て、2度の世界大戦まで経験した21世紀において、この目を疑うような侵略戦争は、侵略者が1日も早く他国から撤退しなければならないと思います。
遠い国ではあるものの世界と日本による被侵略国への支援は必要です。
世界の人々は目をそらせることなく注視することが求められます。
普段、国際報道ニュースを見ることも少なかったのですが、侵略戦争が起きてからは気にして見ています。
砲弾やミサイルが落ちてくる穴だらけの畑で、それでも農作物を作らなければ生きていけない民衆は本当に気の毒です。
戦地の状況を思えば、平和な日本で園芸を楽しめるのは幸せなことだと思います。
室内卓上流木着け風蘭は作製から2年7箇月が経過しました。
青玉竜を小さな木に付けた流木着けは生育があまり良くなく、今年も花が咲きませんでした。
風蘭を着けたフジヅル着けは、フジヅルが水をはじくような樹皮の表面で、活着が難しいことが分かりました。
着生材は、伐採されたつる植物の幹を山中で拾い、太かったのでフジヅルと思い込んでいましたが、つるがフジだったのかどうか疑問もあります。
ランを室内に置いて管理することは、空気の流動がないため温度スイッチをセットした扇風機を設けるのが理想的です。
温度スイッチも熱帯魚飼育用の温度スイッチ(設定温度に上がるとONになるタイプのスイッチ・小さな扇風機であれば容量的にOKと思います。)を付ければ良いと思います。
40℃近くに達するような環境でも、扇風機の風があれば耐えると思います。
当園の35年前に作製したビニールハウスは借地だったため今年8月に解体撤去することになりましたが、真夏のハウス内は目の高さ(ランの棚面の高さ)にある最高最低温度計で45℃まで上がります。
天井付近は50℃近いと思いますが、上面に設ける薄いビニールは茶褐色から黒色に焼けることがあります。
遮光ネットは天井(屋根)面が三重張りで、外から銀色30%(光を反射して温度を下げる効果があります。)黒色50%、内張りの天井が黒色30%で、計算上の遮光率は75.5%となります。
ハウス内のランの棚付近は外気温より10℃近く高くなりますが、壁面の直径1mの換気扇と屋内の直径0.45mの換気扇合計2基(温度スイッチにより作動)で風蘭・富貴蘭に問題ありませんでした。
空気の滞留は病気等も発生しやすくなり、高温や蒸れ防止のためにも空気の流動が必要と思います。
室内卓上流木着け風蘭の置き場所には、クリップで設置できる羽根径18cmの小型扇風機があったので、ビニールハウスから取り外した温度スイッチを利用して設置してみました。
ランを置いてある部屋の最高最低温度計は最高が33℃だったので、33℃にセットしてその温度に上昇すると扇風機が回り、その温度を下回ると止まります。
部屋の温度を下げる効果はほとんどありませんが、ランに風を当てるだけでそれなりの効果が期待できます。
部屋の湿度を変える効果もほとんどないと思いますが、蒸れ防止にも効果があると思います。
矛盾しているように見えますが、人間の風による体感温度の違いと同じことで、効果はあると思います。
以下の写真は室内卓上流木着け風蘭の写真とともに、オークションに出品したランの写真が多くありますが、花時に掲載することが出来なかった風蘭・富貴蘭の開花状況もご覧ください。
室内卓上流木着け風蘭の状況です。
この部屋の南面の掃き出し窓は日中もほとんど開けず、東面の腰窓を開けて換気しています。
このため空気の流動はあまりありません。
湿度の保持には良いのですが、風蘭にとってはいかがなものでしょうか。
フジヅル着け風蘭も花を付けましたが、ツルツルした樹皮表面に活着しそうもなく、温室フレームへ移動となりました。
風蘭と轡虫が開花しました。
根の伸長は一度誘引しましたが、再度少し誘引する必要があります。
流木には小さな青玉竜を着けましたが、まだ弱々しい感じです。
手前はヘゴに着けた轡虫です。
写真手前が流木着け風蘭で、花を多く付けています。
流木を捉える根は、流木の表面の凹凸に沿って進むのですが、空中へ向かって出てしまうと流木の方へ戻ることはありません。
風蘭も小さな木を着けましたが、花は毎年咲かせています。
流木は切断面の粗さが目立ち、風蘭にとっては着生しやすいかと思ったのですが、根は粗い切断面に入り込む兆候は見られません。
保水力は高いと思われますが、風蘭の根は割合平滑な面に貼り付くようです。
流木上方の別の角度から撮影した写真ですが、流木の凹凸の谷間に伸びた根も特に流木を捉えていません。
通風の無さが着生材を捉えない原因かとも思われます。
ヘゴ材に着けた轡虫に今年も花が咲きました。
花は独特の奇花で、弁先に薄いピンク色を装います。
弁先のピンク色も年により濃色となったり、淡色となったりします。
発色具合は開花前の採光加減に影響されるように思います。
蕊柱の先端に黄色い花粉塊が見えますが、青海などと同様に受粉する柱頭は退化して受粉できないように思いました。
交配は花粉を使って花粉親として利用します。
花は繊細であでやかさと品のある花です。
18cmクリップ扇風機を設置した状況です。
違う方向から撮影した状況です。
ビニールハウスで使用していた温度スイッチです。
写真の温度設定目盛りは33〜34℃程度ですが、今までの最高温度(33℃)ではほとんど回る時がないので、32℃に変更しました。
最高最低温度計です。
リセットしなければいつまでも過去の記録を維持します。
厳寒期と真夏はこまめにチェックしてリセットするのが良いです。
風蘭のヘゴ着けで、ヘゴの縦割り材の天面に風蘭を着けてあります。
天面はわずかな面積ですが、伸びた根が下に垂れ、ヘゴ材の側面をよく捉えるので、活着のバランスも良くなります。
風蘭のヘゴ着けです。
ヘゴ材の縦割り材を複数個組み合わせ、円柱形にしてアルミ針金を通して固定してあります。
ヘゴの原木丸太が入手できないためヘゴ材を加工しました。
御城覆輪の吊下げ網包み植えです。
網は漁網を使い、水苔の中心に軽石を入れた植え方です。
上写真の別角度からの撮影です。
御城覆輪の覆輪斑は鮮やかで、長く剛直な立ち葉が冴えて見えます。
樹勢強健なところも良い性質で、富貴蘭を知らない人にも斑入りの美しさをアピールする力があります。
青玉竜25本立ちのヘゴ着けです。
ヘゴに着けて7年以上経過したもので花茎12本が付いています。
根数、根量とも多く出す品種で、花付きも良いです。
ヘゴを吊下げるタイプでは、下方の株の採光が弱くなりがちなため、栽培中は横に倒して管理することも有効です。
富貴蘭金銀羅紗実生の花です。
富貴蘭品種の中で、かなり珍奇な花と言えます。
草体は葉の表裏全体が細かな凹凸に覆われ、触るとざらつき感のある羅紗地です。
根も同様な表面で、花も花茎・花弁・距の全てが羅紗地となります。
花は草体に比較して大きく、花弁は反り返り、距が湾曲して輪を作る形です。
独特な羅紗地品種ですが、栽培は少し気難しく繁殖力も低い品種です。
東海のヘゴ着けです。
28本立ちで、ヘゴに着けて8年以上経過しています。
葉が湾曲して丸まるような雰囲気の姿になります。
湾曲して捩れる葉もあり、全体的にボール状となります。
花はやや大輪で、受け咲きとなります。
上記とは別の青玉竜のヘゴ着けです。
25本立ちで、ヘゴに着けて8年以上経過しています。
花茎8本付きで、根量も多く出ています。
上写真と同株です。
この年代にヘゴ着けしたものは、1株とは限りませんが本数のまとまった大株をヘゴに着けたものが多いです。
仕上がりは株と株の間がかなり凹凸のある立体的な感じになることもあります。
デンドロビウム・スペキオスムの花です。
スペキオスムは大明石斛とも呼ばれ、原産地はオーストラリア、ニューギニアです。
茎は太く尖った牛の角のような形状で、花茎は茎頂から生じて長さは10〜60cmになるとあります。
密に多花を付け強い芳香を出します。
惜しむらくは花期が1週間程度と短いことです。
花の写真撮影はなかなか良い写真が撮れません。
カメラによるところが大きいのでしょうが、上写真と撮影位置、フラッシュの当たり具合等で同じオート撮影でも色の違いが出ます。
どちらかというと黄色味を帯びた本写真が実物に近いです。
薄いピンク色等の発色は、写真撮影の技術がないため苦労させられます。
今年も敷地内の柿の木に着けた風蘭が開花しました。
柿の木は春〜秋まで葉を密集させて茂るのですが、横や下方から反射して差し込む間接光で問題はないようです。
道路沿いにあって、水やりもほとんどしない中、冬も含めて乾燥し過ぎて葉にしわが寄ることもありません。
葉や根に蓄えた水分とともに、柿の樹皮に留まるわずかな水分を吸収しているのかと思います。
今年も柿の木の風蘭は、例年と同様に花を咲かせてくれました。
柿の木を宿主として、小さな草体の風蘭がいつもそこで相変わらずに生活していることに感心します。
室内卓上流木着け風蘭は室内管理ということで、名前のとおり風を好むランにとっては居心地の良い環境とは言えません。
今回は小型扇風機により風を補うように考えました。
少しでも自然環境に近づけてやれれば良いと思います。
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