写真はフウラン系自家交配種です。
ガンマー之助との日記 2011年9月分
9.6 ガンマー之助 体重測定
9.10 ガンマー之助 ジャンプ約30センチメートル
9.14 ムービー録画失敗
9.18 ガンマー之助 ゴム長で蹴飛ばす
9.24 ガンマー之助の住み家発見
9.28 ガンマー之助 不在
9.29 ガンマー之助 ねぐらに鎮座
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2011.9.6 ガンマー之助 体重測定
ビニールハウスには8日ぶりの水やりとなる。あまりにも間隔が開き過ぎたが、月初めに台風12号が接近して雨や曇りが続いたためこうなってしまった。台風12号は動きが大変遅く、高知に上陸後も時速15kmというスピードで各県に記録的な降雨と水害をもたらせた。全国で大勢の方が亡くなり、また行方不明となり、それらの方々、ご遺族には心より哀悼の意を申し上げます。
台風のコースによっては当地もどうなっていたか分からず、築23年にもなるビニールハウスは無事で済まなかったと予想される。
台風通過後も2日以上雨天が続き、今日は久しぶりに太陽が顔を出した。8日ぶりとなると、鉢植えはさすがに乾燥して、ビロードシダなどは乾ききって葉が縮れ、茶色となって一見すると枯れた状態である。
自生状態では常に乾燥と向き合っており、岩や樹に着生する個体の多いノキシノブやビロードシダにしてみれば、8日の水切れなど何でもないことであろう。水をやってしばらくすれば枯れ葉に見えたのがうそのように元に復している。
これはフウランの自生状況とも共通し、8日程度では表情も変えない。フウランの乾燥に耐える試験についてはレポートコーナーをご参照ください。
9月に入り、朝夕は涼しい風が吹くようになると、温室内の植物も秋の生長を再開するようになるため、これからはしっかりと水やりしたい。どうしても真夏は水苔がよく乾くのでついつい夕方にたっぷりとかん水してしまうが、真夏のかん水量を減らすことがなかなかできない。こんなところも流れに流されやすい花咲Jである。
今日もガンマー之助がいるかと思い、メタボの体重を測るべく秤を持っていく。
水をやり終わっても姿が見えないので探すと奥の通路に座っている。軍手をはめた手で持ち上げ秤に乗せて測ると針が振り切れる寸前の410gであった。う〜ん、貫禄やな。
体重測定も終始おとなしい。
外は暗くなってきたため、今日はこれまでとガンマー之助を地面に放し、餌をやることにする。外でコオロギを捕まえ、草の穂先に結わえて与えると、今までと違う「パクッ」という音を発し、一口で口に入れ、例によって後は口ものども微動だにしない。
コオロギはハウス内にも外壁の破れ穴から常に入って来る。主に地面にいるためガンマー之助の主食となっているのだろうと思う。
その後、イナゴを与えるものの、いくら小刻みに動かしても無視している。私の横をのそのそと通り過ぎ、追いかけて鼻先や足元へイナゴを差し出すが無視している。ハウス内はすでにとっぷりと暗く、水やりで肩近くまで濡れたシャツが冷たいのでこの辺であきらめる。
頭を素手でなでてやると少し首をすくめる。
ガンマー之助おやすみ
2011.9.10 ガンマー之助ジャンプ30センチメートル
ビニールハウスの横は馬込川という2級河川が流れており、堤防の上が遊歩道となっている。歩道脇の斜面には草が生い茂り、県もなかなか管理が行き届かず、自治会で年1回草刈りを実施しているが、1〜2ヶ月も経つと40~50cmに伸びてしまう。年間を通じて個々の住民が草を刈っている。
今日は近所の住民の方が刈っていない場所を草刈り機で刈り取る。斜面にはクズなどのつる性植物が繁茂して草刈り機でも容易ではない。そのうちに陽が落ちかけてきて、片づけを近所の方が手伝ってくれた。終わったころには陽が沈み、ビニールハウスの水やりが遅くなってしまった。
ハウス内には蛍光灯が2個付いているが、長細いビニールハウスに2個では光が隅まで届かず、影絵のようなランを見ながらの水やりである。
はたしてこの暗さではガンマー之助も出てこないと思いつつ、暗がりでガンマー之助の体でも踏んではいけないと注意する。出てこないだろうが出てきてもいいよという心境か・・。全体の半分ほど水やりしたところでホースを反転すると、足元の暗がりからガンマー之助が驚いたように2回ほどとび跳ねた。といっても飛距離は20~30cmか。もしかしたら移動したホースに触ったのかもしれない。急ぎ足(遅いが)で鉢植えの葉蔭に隠れた。
言葉が通じないのは分かっているが「ガンマーごめん」と言って安心させ、ホースの水を掛けてやる。産卵時以外は水辺に近づかないということであるが、幼生を水中で暮らしたガンマー之助が水やりのたびに現れるのも、そのせいかも知れない。通路に座って落ち着いた様子なので頭をなでてやると、例によって身じろぎもせず若干頭を低くする。う〜ん、これはハウスの主人に慣れてしまったか。^_^;
水やりを終えるが外は暗く、えさの昆虫を捕ることができない。水で濡れた作業着を着替えていると、足元に数匹のコオロギがうろちょろしている。
捕まえた1匹をガンマー之助に差し出すと一気にパクッと口に入れ、結わえてあった草の穂先を手で押さえて引きちぎった。いつもの豪快な食べっぷりである。
家への帰り道、ガンマー之助らの一族は夜行性なのか、それともシャワーを浴びに出てきたのか、えさがもらえると期待して出てきたのか、いろいろと考えている間に家に着いてしまった。
2011.9.14 ムービー録画失敗
今日は珍しく夕方5時前から水やりに来た。この数年は1年の間でもビニールハウスの方で作業する日数はあまりなく、ほとんどが水やり作業である。手入れが行き届かないため、何年間も植え替えを怠ったミニカトレアなどは枯れてしまったものが出ている。ビニールハウスは温室と違って屋根が低く、天窓もないために、特に夏の高温対策に苦慮している。
換気扇は排気口とハウス内の吸入口近くに合計2機設置してあるが、陽が傾く時間になるとサーモスタットで停止する。今日も30℃以上の暑さであったが換気扇は停止していた。
水やりを始めて三分の一程度進み、今日は時間が早いからガンマー之助はどうだろうと思って地面を見ると、・・いつもの通路にちょこんと座っている。歓迎のシャワーをホースで浴びせると、井戸水が冷たすぎるのか逃げるように向こう側へ歩いていく。
今日見た位置は、前回の最初に見た位置と近く、これから考えるとガンマー之助のねぐらはハウス最奥に設置してあるストーブ近くか。その辺で身を隠せる場所は、棚下に10数箱並べてある万両実生苗箱下の地面との隙間かな〜と推測する。実生苗箱は、棚下の地面上約10cmの高さに並べてある。
暗くならないうちにと急ぐ気持ちで水やりを終え、別の通路に移動しているガンマー之助の頭をなでに近づく。そうすると、手を差し出すと一跳ね、また近づいて差し出すと一跳ね、3〜4回繰り返す。その一跳ねはトノサマガエルにはとてもかなわず、20cmぐらいがせいぜいである。ましかし、この大きさで50cmも1mも跳ねたら、ハウス内の棚下に置いてあるマツバランやオモトなどの鉢が相当の被害を受けるだろうことから、運動能力不足が幸いである。
結局、今日は機嫌が悪いのかとあきらめ、ハウス外でコオロギを採取する。
携帯電話のムービー録画で採食の様子を撮影しようと準備した。コオロギを差し出すとすぐにパクついたが、ムービーに気を取られて、くわえた瞬間に結わえてある草をガンマー之助の方向へ送り出す操作ができず、ガンマー之助も2回3回とパクつく。最後に送りだすことができると、餌を口の中に入れた状態で手を使って草の穂先ごと食いちぎる。歯があるのかなー。
後でムービーを再生するが、ハウス内は外より一段と暗いため撮影ライトを点けて撮ったにもかかわらず、写っているのは私の手だけであった。
この日はコオロギ2匹をうまそうに食した。まあゲテモノ食いであるが、自然の習性であるからには仕方ない。
ガンマー之助の体長を測ろうと思い、体長と言っても手足を伸ばさせるのは嫌がるだろうから、頭の先からおしりまでの長さを計測すると16cmであった。 今日はこの辺で、ガンマー之助おやすみ。
2011.9.18 ガンマー之助 ゴム長で蹴飛ばす
今日は珍しく昼間からビニールハウス内でミニカトレアの植え替えを行う。ここに少しばかり置いてあるミニカトレアは5年以上も植え替えなかったため、枯れてしまったものが多く、枯れていないものもバルブが完全に鉢の外へ出ている。水苔植えは3年をめどに植え替えしたいのであるが、在職中は何かと忙しくて水やりだけで精一杯であった。その水やりも何とかして間隔を延ばそうと、いろいろな植え方を試行錯誤し、確実な方法も見つからないまま現在に至っている。自動かん水方式を何度設置しようとしたか分からないほどであるが、結局は資金の問題で設置できなかった。
この時季は植え替えに適期でないと思ってはいるが、生きたバルブが鉢外に出て、いつ枯れてもおかしくない状況ではそれも言っておられない。ランも夏の生長休止期であり、いきなりヘゴ着けとする。
植え替えが一段落したところで4日ぶりの水やりを行う。
前回、ガンマー之助が隠れていると推測したハウス最奥部の水やりを終えても現れないので、今日はどうしたんだろうと思いつつ、中央部の棚へ水やりするため後ろ向きで進んで行く。ホースを引っ張る力を軽減するため、大体は後ろ向きで進む。と、足を運んだゴム長靴が何かに当り、ハウス外壁裾のトタンが「バン」と音を出す。棚から落ちた鉢を蹴飛ばしたかと思って見ると、ガンマー之助がトタンへ体当たりした音であった。
いやー、悪い悪いと思いガンマー之助の頭をなでると、逃げもせず頭を下げる。う〜ん、踏みつけなくて良かった。
暗くなりつつあったので急いで水やりを終え、コオロギ採集に取り掛かる。幸いにハウス横は空き地で、草むらの中にいるコオロギは簡単に見つかる。
やはりハウスの内外にいるコオロギが好きなようで、鼻先に持っていくととたんにパクッとくる。口の中に入れるのは百発百中ではないが、うまくいかないと続けざまにパクッパクッとくる。口の中へ入れてからは、コオロギを結わえた草の穂先を手で押さえ、結構丈夫な草の茎をいとも簡単に食いちぎる。
なかなかに迫力ある光景である。
今日は蹴飛ばした謝意を表したく、3匹のコオロギを食べさせた。
最後に頭をなでると、頭を少し低くし、お腹をグッと膨らませておとなしくしている。
ガンマー之助おやすみ
2011.9.24 ガンマー之助の住み家発見
9月21日、台風15号が浜松市に上陸し、大風とともに暑さを持ち去ったのか・・。暑さ寒さも彼岸までという言葉通りに急に気温が下がり、夜中に寒かったと思えば富士山も初冠雪だとか・・。2,3日前まで30℃くらいあったのが今日は冬の便りが届き、季節の巡りは早いものだと思う。年に何回かそんなことを感じるが、気がつくといつしか年も重なっていく。
台風15号は当地方にも大きな損害を与えたが、各地で被災された方々にお見舞い申し上げます。
当園の築23年になるビニールハウスと温室もあちこちに損害を受けたが、本体構造はかろうじて持ちこたえ修理で復旧が可能な状態である。
涼しくなると夕方の水やりを日中に変更するが、今日はその最初となる。
今までも日中の水やりでガンマー之助に行きあったことはない。水やり中はどこかにいないかと気にしていたが、終了しても姿は見えない。
台風の浜松市での瞬間最大風速36.8m(報道数値)で、ビニールハウスの手作り補強基礎はコンクリートと周囲の土の間に隙間が生じており、抜けなかったものの相当な振動であったろうと思う。そんな中で用心棒ガンマー之助はどうしていたか・・、ただごとでない状況は感じたであろう。内部も蛍光灯の取り付け金具のネジは折れて傾いており、棚の東洋蘭を植え込んだ鉢は6,7個が落下し、錆びてはいたが棚の足先は折れて若干傾いている。
無事であるか顔を見たくなり、以前ガンマー之助がいるであろうと目星を着けていた場所を覗いて見る。
万両やカラタチバナの播種箱を並べてある下方の約10cmの隙間を覗くが、いるように見えない。おかしいと思いよく見ると3mくらい先にほんの少し土が盛り上がっているように見える場所がある。回り込んで見ると、地面の土をお椀形に掘り下げ、その中に頭だけ出して座っている。
声をかけるが返事はない。カエル族の習性でのどだけが波打っている。
日中、水やりしている時に出てこないところをみると、やはりヒキガエルは夜行性なのだろうか。
無事を確認したので、暴風雨の中、ビニールハウスを守ってくれた礼を言い、好物の(好物だと思う。)コオロギを2匹与えると、住み家から出ずに一瞬で「パクッ」という音と共に口に入れ、手で草の穂先を抑えて食いちぎる。食いちぎり方も慣れてきた。
餌やりはいつも昆虫を鼻先に持っていくのであるが、誘っても一度も餌を追って歩いたことはない。昆虫を捕食する場合は、海の中のアンコウのように、ただ餌が通りかかるのをいつまでも待っているのだろうか。
今日はガンマー之助の無事を確認でき、住み家を知ったことで満足した。
穴の中のねぐらで待機中かな
2011/09/28 ガンマー之助不在
昨日から台風15号の強風で破損した防風ネットの交換作業を行っている。
防風ネットはビニールハウスの北面・西面に支柱を立てて張ってあるが、経年劣化で針金も数カ所切れていた。
取り外しが終わったので4日ぶりの水やりを行う。彼岸も過ぎたことから液肥を混入するようにセットしたが、混入器内部の目詰まりがあるようで、うまく混入できない。
通常の水やりになってしまったが、ガンマー之助がどうしているか気になる。
昼間は何をやっているのだろう。
水やりを終えて住み家を覗くと、留守であった。昼間、行動しているのか。
ビニールハウス内の棚の下にあるクンシランやらオモト、マツバランなどの鉢植え、そして植えられていたものが枯れてしまったため用土だけが入った鉢などがぱらぱらと雑に置かれている間を見て、ガンマー之助を探す。
時々、小声でガンマー之助の名をつぶやくが気配もない。
どうやらどこかへ身をひそめて獲物を狙っているか、ビニールハウス内の作業スペースにやはり雑然と置かれている資材(捨てられないガラクタと言うほうが合っている。)の間を探検しているのだろうか。
見つからないので改めて空の住み家を見ると、お椀形に掘られたねぐらは意外に大きい。これだけあれば手足を伸ばすことも寝返りも打てるだろう。
2011/9/29 ガンマー之助 ねぐらに鎮座
今日も午前中、防風ネットの支柱が何本か根元から傾いているのを修正する。
出入り口引き戸の両側にある戸枠もC形鋼材が地際で腐食して台風の強風で両側とも切断し、妻面が宙ぶらりんになっているため、これもL形鋼材を埋め込んで修理する。
23年経過した手作りビニールハウスは骨組みの鉄パイプが地際で腐食して1本残らず切断している。
このため過去2度にわたり骨組みの補強を行っている。台風から数日後に市内の施設園芸を行っている温室を見たが、新聞報道どおりに約8割のビニールハウスが被害を受けていた。中には鉄パイプが抜けて横倒しになっているものもあった。
当園のハウスは幸いにも風上の住宅の陰になり、まともに当たる風圧を避けられたのが幸いだったと思う。
一通りの作業が終わったため、気になっていたガンマー之助を見に行く。
スチロール箱の下を覗くと、何気ない表情でねぐらの穴の中に鎮座していた。
台風の後、引っ越しもせずにいたことで一安心した。引っ越しと言ってもこのビニールハウスから出られないのであるが・・。ガンマー之助の真情やいかに。
私が思うところ、これはカエル族共通の感があるが、彼らはすばしっこい動きはできない。小さなカエルは跳躍して逃げて行くが、給餌活動は目の前に現れる餌をじっといつまでも待っているようなイメージだ。
なんとなく鷹揚な性質を感じるが、それからしてももっと住みよい住み家を探し求めて移動するようなことはしないのかも知れない。
そんなガンマー之助をいじらしくも思い、早速イナゴとコオロギを計2匹確保し、鎮座しているガンマー之助の前に差し出すとそれぞれ一口で食べた。
この昆虫が捕れなくなったらどうしよう。ほかにはミミズも食べるとあったが・・。昆虫がいないようになったらねぐらをもう少し深く掘り、土をかぶって冬眠するのだろう。
その時季にはビニールハウス内で小さなストーブを点けたりもするので寒さをしのぐには良いはずだ。数年前から経費節減のため、寒波が来そうな時にストーブを点けた場合でも最低温度は1,2℃まで下がる。