育て方(1)

水苔植え富貴蘭の育て方
ラン交配種





写真はフウラン系自家交配種です。



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水苔植え富貴蘭の育て方

     ここに記載の育て方は、園主がサラリーマンの時期になるべく水やり回数を減らすためにやってきた植え方が元になっています。
     特にラン栽培における水やりは、水かけ3年とも10年とも言われます。
     花咲Jの場合は、30年もやってきていまだに完成したと言えません。
     それは同じフウラン(富貴蘭)でも品種・株の大きさ・木の勢い・置き場所の日照、通風、温度、方角、気象等の環境・植えてある鉢の質、大きさ、構造・植え方等々の要因が乾き方に影響するためと思います。
     基本的にはランがいつ、どの程度の水を求めているかが人間には捉え難いことが原因だと思います。
     また、どの程度乾いた時にどの程度かん水するかということも、作られている方の栽培場ごとに違いがあり、その方のやり方があります。
     ここに記載の育て方は、当園の植え方による富貴蘭を、そのまま植え替えせずに管理される場合に、ご参考までに見ていただきたいと思っております。

    (富貴蘭・フウラン・ポリ鉢植え添付資料)
    自生の状況
     日本の関東以南に自生し、主に高木広葉樹の樹幹及び枝に根で張り付いている着生ランです。
     養分は着生樹から摂取するのではなく、自然の降雨、霧等の水分で成長します。
    園芸品種
     江戸時代にフウランの野生種の中から変わったものを選別し、栽培した園芸品種が富貴蘭と呼ばれていました。
     その時代から続く富貴蘭の殆どの品種が現代まで生き続けています。
     近年は富貴蘭同士の人工交配品種も多く見られます。
    風蘭の特性
     乾燥には非常に強く、成長期は風通しの良い環境を好みます。
     花期は6〜7月、花は夕方から夜間にかけて芳香を出します。
     成長は極めてゆっくりで、1年間に1条当り葉2,3枚、根2,3本を出します。
     鉢植え品の根は、必ずしも鉢内へは伸びず、鉢外へ伸びていく根もあります。
    注意したい事柄
     年間を通して水やりの過多、また夏の高温期の蒸れ(風通し)に注意します。
     特に冬季は乾燥気味に管理しますが、冬季の休眠期に乾燥で枯れることはほとんどありません。
     植え込み材料が乾燥していれば氷点下にも耐えます。
     冬に極めて乾燥すると葉にしわができますが、その場合も春の水やりとともに元に戻ります。
     肥料は全く与えなくても育ちますので、施肥の過多に注意します。
    置き場所
     陽を多めに採ると花付きはよくなりますが、富貴蘭は葉焼けしないように、屋外(屋根付き)に置く場合は直射日光を避けて50%(木漏れ日の当たる日陰)程度遮光した場所、又は日の当らない(朝陽は可)明るい日陰に置いてください。
     晩秋から春までは遮光を少なくして、20〜30%(レースのカーテン2枚越し)程度がよいです。
     桃・赤色花品種は春から開花するまでの間、遮光を少な目にすると発色が濃くなります。
     雨に当てると水苔が長時間多量に水を含み、容易に乾かなくなります。
     過度の湿気は着生ランが最も嫌うもので、水苔の劣化も早めます。
     水苔植え品の場合は、水やり管理の面からフレーム内やテラスの屋根下、軒下等の雨の当たらない場所へ置くほうが管理しやすいです。
     風蘭は温室のような設備がなくても育てられます。
     冬季、暖房した居室内に置き続けることは避けてください。
     また、冬季に日中の温度が30℃以上にならないような場所に置くのが望ましいです。
     「品種による日照の目安 覆輪・花物=日照は多め、縞物=中間、青物(変わり葉)=少な目」
     加温した温室内に置く場合は、自然の状態との違いによる冬季の水やり加減、夏季の生育障害等に注意してください。
    水やり
     4月〜11月ごろまでの成長期は水苔がよく乾いたら水やりします。
    当園のポリ鉢植えの場合、水苔の表面が乾いても内部には水分が残っていますので、水苔を触ってみて表面が硬くなり、乾いたと感じてから1〜2日後(冬は4〜5日後)くらいに水やりします。
    水やりの目安
     春〜秋《 3〜5日に1回  》 春〜秋の水やりは水苔の乾き具合で加減します。
     真夏の間はできれば夕方に水やりするのがよいです。
     春〜秋、鉢の中心まで完全に乾燥し、持つと軽く感じられるような場合は、かん水しても中まで容易に湿らすことができません。
     そのような場合は、1分間くらいの間隔をおいて再度かん水するとよいです。
     また、鉢ごと水バケツに10秒間程度沈める方法もあります。
     冬  《 5〜10日に1回 》 葉と表面に出ている根及び水苔の表面を浅く濡らす程度に軽くやります。水苔の中まで湿らす必要はありません。
     水やりは、当園のポリ鉢植えの目安ですが、上記より間隔が開いても支障ありません。
     ポリ鉢植えは水持ちのよい鉢ですので、水苔が十分に乾いてから水やりするのがよいです。
     ポリ鉢でも側面にスリット(穴が開いた鉢)のある場合は、上記より若干乾きやすくなります。
     素焼き鉢等に植え替えた場合は、水やり間隔が短くなります。
    肥料
     肥料は与えなくても育ちますが、1,000〜2,000倍程度の薄い液肥を春と秋に各期、2,3回施すとよいです。
    植え替え等
     水苔植えの場合、水苔の劣化等をみて2〜4年に1回、時期は根先が伸長し始める前の3〜4月に行います。
     当園の水苔植え品は水苔の中心部に軽石を入れてあるものもありますが、入れなくても構いませんし、中心を中空にして植える伝統的な植え方もあります。
     水苔は程々に固く詰めて植え、水苔ができるだけ短時間で乾くような状態がよいです。
     根先が伸長に伴い鉢の外へ出てきますが、そのままで構いません。鉢の中へ入れたい場合は、春の植え替え時期に行ってください。
     伸長時の根先(先端の約1cm)は柔らかく、触らないほうがよいです。

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