育て方(3)
写真はフウラン系自家交配種です。
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ヘゴ着け風ランの育て方
ここに記載の育て方は、当園で作っているヘゴ着け風ランの育て方として掲示しましたが、ご参考になれば幸いです。
トップページにある
「ヘゴ着けラン」
から、ほかの関連項目もご覧いただけます。
ラン栽培における水やりはなかなか難しいものですが、ヘゴ着け風ランはその点での失敗が少なく、どなたでも管理しやすいと思います。
(ヘゴ着け風ラン添付資料)
ヘゴについて
熱帯・亜熱帯地方の木性シダの気根という自然素材のため、耐久性は短くて10年から長いもので20年もしくはそれ以上と管理方法や環境、自然条件により変化します。
常時湿った状態では腐朽が早くなります。
水やりした後、早く乾燥する状態のほうがランにもヘゴにもよいと言えます。
ヘゴ着け風ラン
へゴ着け風ランは、ランが自然に自生している状態に近く、植え替えの必要もなく、管理が適正であれば年数を経るほどに観賞価値が上がります。
植物の健康状態のバロメーターである根の状態の全てが一目瞭然で分かります。
ランにとっても全ての根が空気中に露出した状態が最も自然な状況であり、ヘゴ着け風ランの栽培を続けると、ランが活き活きと成長しているのが根の状態などから感じ取れます。
着生ランを鉢で栽培する場合は、年間を通して水やりの過多(水苔の濡れ加減)、また夏の高温期の蒸れ(風通し)等に注意しますが、へゴ着けの場合は過湿や蒸れの心配はあまりありません。
ラン栽培における適度の水やりはなかなか難しいものですが、ヘゴ着け風ランはその点での失敗が少なく、だれでもが管理しやすい植え方と言えます。
風ラン
自生状況
日本の関東以南に自生し、主に高木広葉樹の樹幹及び枝に根で張り付いて(着生して)います。
養分は着生樹から摂取するのではなく、自然の降雨、霧等の水分のみで成長します。
風ラン園芸品種
江戸時代から続く園芸品種は
富貴蘭
と呼ばれ、その当時の園芸品種が現代まで生き続けているものも多くあります。
風ランの特性
乾燥には非常に強く、成長期は風通しの良い環境を好みます。
花期は6〜7月、花は夕方から夜間にかけて芳香を出します。
成長は極めてゆっくりで、1年間に1条当り葉2,3枚、根2,3本を出します。
日本原産のランのため育てやすく、病虫害も少なくて、丈夫な性質のランです。
置き場所
風通しの良い所が望ましい場所です。
冬季及び花等の鑑賞期は室内に置いても、それ以外の成長期は外気と通じる所・フレーム内・軒下・屋外(屋根付き)等に置いたほうがよいです。
鑑賞期に室内に置く時は、夏冬ともエアコンの吹き出し口付近は避けてください。
<吊り下げタイプ・中心吊り下げタイプ>テラス・軒下・屋根付きベランダ等に吊るす場合は、風でヘゴがあまり強く揺れない所へ吊るしてください。
揺れる場合は揺れないような対策をしてください。
外気の入る所では、台風等の接近時に取り外して管理してください。
鉢植えの草花等が置いてあれば、その上部へ吊るすのも場所を取らなくて良いと思います。
<立柱(鉢植え)タイプ・スタンドタイプ・中心吊り下げタイプ>ヘゴの置き方は通風を考慮して、平板の上へ直接置くよりも、例えば2本のパイプを横に渡してその上に置くほうが、ランにもヘゴにもよいです。
台所で使う針金製水切り台のようなものの上へ置くのもよいです。
鉢植えタイプ・スタンドタイプを栽培する場合は、スタンド等が風等で倒れる恐れがありますので、スタンド等を固定したほうがよいです。
遮光について
冬を除く時季の直射日光は葉焼けを起こす可能性があり、個々の品種により違いがありますが、30〜50%程度(木漏れ日の当たる程度)の遮光をしてください。
葉焼けを起こさない程度に多めに採光したほうが、花付き・根の伸長・増殖等が良くなります。
冬季(11月下旬〜3月下旬頃)は10〜20%程度の遮光(レースのカーテン越し程度)がよいです。
ピンク系色花品種は春から開花するまでの間、遮光を少な目にすると発色が濃くなります。
温度
冬季は水やりを控えて乾き気味に管理すれば氷点下にも耐えます。
冬季は寒風の当たらない所へ置くのがよいです。
当園で栽培しているランは冬季最低温度1〜2℃(温度計は地上約1.5m)となる無加温のフレーム内で管理しています。
風ランは温室設備がなくても充分育てられます。
冬季、暖房した室内に置き続けることは避けてください。
加温した温室内に置く場合は、自然環境との違いによる冬季の水やり加減、夏季の生育障害等に注意してください。
水やり
春から晩秋にかけては、3〜5日に1回程度、ほかの草花とほぼ同様の間隔で水をやってください。
夏季、水やり後すぐに乾燥しても3〜5日に1回の水やりで根及びヘゴに水分を蓄えます。
夏季は乾燥が早いため夕方以降の水やりが適します。
夏季はヘゴに水を含ませるため1分間くらい後にもう一度、水を掛けるとよいです。
雨に当てるとヘゴ内部まで長時間多量に水を含み、乾きにくくなるとともにヘゴ材の劣化を早めますので、屋根のある下で管理することをお勧めします。
雨天が続くような湿度が高くてヘゴの表面が乾ききらない時には、水やりを翌日に延ばしてください。
水やりに際しては、常にヘゴ表面が乾燥するまで待つのがよいです。
ヘゴが乾燥しても、湿っていた時間が長かった場合は、乾いてすぐに水やりせず、その時間と同じくらいの日時の乾燥期間を取ったほうがよいです。
乾燥には強く、生育期に曇天・雨天を含む1週間以上、水をやらないことがあっても支障ありません。
常に少し乾燥気味に管理したほうが、根がヘゴを巻くようになります。
ただし、極端な乾燥状態(2週間前後)に置いた場合や、乾燥状態を長期に渡り繰り返すと、葉先が枯れ込むことがまれにあります。
また、葉が小さくなり、花つき(輪数)も少なくなることがあります。
ヘゴ着けの場合も冬季は乾燥気味に管理しますが、加温をしていなければ休眠期の冬季に乾燥で枯れることはほとんどありません。
冬季は1週間に1回程度、できるだけ暖かい日の午前中に軽く水をやる程度でよく、ヘゴの隅々まで濡らす必要はありません。
冬季に2週間程度以上、水をやらないと葉にしわを生じることがありますが、3月下旬以降に通常の水やりを行えば元に戻ります。
春から秋の生育期間は、葉にしわを生ずるような水切れは避けてください。
肥 料
春及び秋に1,000倍程度の薄い液肥等を各季2,3回与えるとよいです。
ヘゴ着けは保肥性が低いので、固形の緩効性肥料(マグアンプK)を網袋等に少量入れて置いておくのもよいです。
肥料は全く与えなくても育ちますので、施肥の過多に注意します。
緩効性肥料と表示されていてもマグアンプK以外は過肥になる可能性があります。
植え替え
ヘゴ着けの場合、植え替えの必要はありません。
長年月経過してヘゴが腐朽した場合等は、ヘゴを崩すか、根の周囲にマイナスドライバー等を差し込み、ひねることによって根を剥がして植え替えることができます。
植え替え時期は3月が適期(地域を考慮すると、最適期は桜のつぼみが膨らむころから散るまでの期間)です。
また、長年月経過して根元の葉が落ちて茎が浮き上がった場合や茎の方向を修整する場合は、根元付近をきつく縛ってヘゴに沿わせることも同時期に行います。
いずれの場合も、その際、根がある程度損傷しても1年程度でほとんど回復します。(
「ヘゴ着けラン修整作業」
をご参照ください。)
根について
伸長中の根先先端(白色でない部分の約1cm)のみ、固い物に接触すると張り着きますが、空中で伸びてしまった部分の根(白色部分)及び古い根は張り着きません。
プラスチックや金属等に張り着いた場合は、根先先端が伸長を止めて白色になるのを待ち、刃先の丸くなったナイフの刃等を当てて外します。
根先が伸長に伴いヘゴからはみ出して空中へ出ることがありますが、そのままで構いません。
気になる場合は、ある程度伸びてから、根の先端以外の部分を弱く支持して、強く曲げずに伸長方向をヘゴ材の方へ誘引することは可能です。
伸長中の根先に触ると折れやすく、伸長を止めることがあります。
古い根も生きている根(太い根)は水分を保持する能力がありますので、できるだけ切らないほうがよいです。