「スノーダンサー」のヘゴ着けです。
当園交配の品種(富貴蘭×リンコスティリス・ギガンティア・レッド)で、草姿はフウランより大きく、4〜5月頃に強い芳香のある花を咲かせます。
花弁は肉厚で、大きさは縦約3cm、幅約3cmです。
踊るダンサーのように距を花の後方に立てるように咲き、フウランより開花日数が長く咲きます。
自生地のランのように、ランをヘゴに着生させてみましょう。
ランの根が生き生きと力強く、ヘゴに沿って伸びていきます。
それはランの遺伝子がそうさせているのかと思いますが、自らの体が木の枝や岩から落下しないように張り付き、乾燥時において、少しでも多くの水分を吸収できる場所を探して伸びていくかのようです。(ランの着生は着生した植物等から養分を摂取するものではありません。)
ヘゴに着けたランを見ていると、いかに過酷な自然環境の中で生き延びてきたかが分かるような気がします。
木が倒されるほどの強風もあれば、数週間にわたって雨の降らないこともあるでしょう。
そんな厳しい自然の中に置かれ、それに負けないで生きる方法を長い年月をかけて身に着けてきたのかも知れません。
※ 「ヘゴ着けラン」 のご紹介(2018年11月6日改訂)
※ 「ヘゴラン作り」 ヘゴ着けフウラン・富貴蘭作製例
※ 「室内卓上流木着け風蘭作り」
室内卓上流木着け風蘭の作製例(作製2020年12月19日)
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ランがヘゴに活着すると、乾燥に対しても抵抗力がついてきます。 ランをヘゴに着けて2年3年経つと、安住の地を得たかのようにランの根がヘゴを抱きかかえるようになり、少々のことで生育を害するようなこともなくなります。 ヘゴに活着したランは、ランが丈夫になり、そのまま何年でも生き生きと育ちます。 ヘゴに活着したランの姿は、着生ラン(風蘭・セッコク・バンダ・カトレア等)が自生地の自然の中で生きている姿と全く同じです。 単茎種(フウラン・ナゴラン等)のランでは10年以上、植え替えの必要はありません。 ランの植え替えはコツが必要なところもありますが、ヘゴ着けランは植え替えの必要もなく、ヘゴ材の耐久性は10年単位で言うくらいの相当の長年月持ちます。 空中へ伸びる根は勢いがあるためで、そのままで支障ありません。 ランを育てる難しさに水やり加減があります。 水をかけて濡れた根やヘゴ材も短時間ですぐに乾きますが、着生ランにとってはそれで支障ありません。 置き場所は雨の当たらない軒下など、通風の良い所が適しています。 日照は、30〜50%程度(木漏れ日程度)の遮光をするか、明るい日陰に置いてください。(品種により最適度が変わりますので適宜、調整するのがよいです。) ランの種類や植え方に関わらず、ランの花付き・増殖・健康度にとって日照は大きく影響します。 ランを栽培するバリエーションの一つとして、ヘゴ着けランも作って楽しまれてみてはいかがでしょう。 ヘゴ着けランを初めて作成する場合は、富貴蘭等の貴重品よりも原種に近い強健な性質のランから始めてみてはどうでしょう。
閑話 「自生地の着生ラン」
ヘゴに着けることによって、普通に水やりするだけで着生ランが好む乾湿のメリハリある水やりができます。
根のほとんどが空気中に出ているので過湿や酸素不足にならず、暑さ寒さに過剰反応せず、ランが丈夫になります。
ヘゴに着けて10年以上経ったフウランです。(中心吊り下げタイプ)
初めてヘゴに着けたのは15年以上前でしたから、この株もそれに近いものと思いますが日付の記録はありません。
着けた時はおそらく数条だったと思いますが、20条以上に増えています。
10年くらい経過すると、フウラン・ミニカトレアなどは根の量が増え、ヘゴが根で覆われて見えなくなるものもあります。
ランをヘゴに着けて4年5年経つと、ランの葉・茎・根が自然のままに着生している姿となり、段々と観賞価値が高くなります。
複茎種(カトレア等)のランでは長年月経つと、成長点のバルブがヘゴの端部からはみ出すことがありますが、その場合は先頭部分の数バルブを切り離すか先頭部の方向変換をします。
根腐れを起こすことは、まずありません。
暗すぎる日陰や通風の悪い所でいつも湿らせておくのはランに対しても、ヘゴ材に対しても良くありません。
ヘゴ着けランは適度な水やりが簡単にできます。
特に冬季の水やり過多はランに大きな影響を与えます。
ランは過湿を嫌うため、普通の感覚で水やりすると、乾燥に耐えるようにできている着生ランは水やり過多になりがちです。
保水性のよい植え込み材料(水苔等)は保肥力があるものの乾きにくく、他にも鉢の種類、置き場所、日照、通風等の条件により水のやり方を変える必要があり、水やり3年、10年などと言われるように慣れるまでは気を遣うものです。
ヘゴに着けて7,8年以上経ったデンドロビウム・ジェンキンシーです。
丈夫なランで乾燥にも強く、日照を多く採ることでバルブもよく増えて花付きもよくなります。
水のやり方は普通の植物と同じです。
ヘゴ材には適度の保水性があります。
閑話 「ヘゴ材・ヘゴ着けランの保水力」
水やり間隔は春〜秋は3〜5日に1回程度、真夏でも同様です。(夏に1週間以上水をやらなくても、その程度で枯れたり生育を害することはありません。)
真夏の水やりは、陽が弱くなる夕方(夜間も可)が理想的です。
冬は1週間〜10日に1回、葉と根を濡らす程度でよく、ヘゴの隅々まで濡らす必要はありません。(水やり間隔は、概ね前記の範囲程度で置き場所・通風・気象等により適宜変えるのがよいです。)
雨天が続いたような時、ヘゴが少しでも湿って(黒色になります。)いるようでしたら、それから1〜2日後に水やりを延ばしたほうがよいです。
様々な姿の「ヘゴ着けラン ミニ写真集」 上をクリックして写真アルバムをご覧になってください。
ヘゴに着けて10年以上経ったスノーダンサーです。
現在はヘゴ材が小さく感じるようになりました。
根がヘゴ材を縦横に抱きかかえるようになると、株がより丈夫にしっかりとします。
このままであと何年でも支障はありませんが、ヘゴ材を交換又は増加する場合は3月頃に行います。
日照の採光割合は、ランの種類、品種により一概に言えませんが、葉焼けを起こさない程度に調整します。(初めて栽培するラン、現状では葉焼けを起こしていないランの採光割合の上限は分からないものですが、文献や自生地の状況、他の方の栽培場を見るなどして判断されるのがよいと思います。)
できるだけ採光を多くすることは大切ですが、日常的によく葉を観察していて上部の葉の一部が白っぽく変色すれば葉焼けの兆候とみられますので注意が必要です。(当園の失敗経験によると、葉焼けは5月頃が要注意です。)
日照に強いと言われている種類のランでも、その個体がそれまで弱い採光条件で育てられていたものは、急に採光を多くすると葉焼けする場合があります。
また、新葉が貧弱に出たり、間延び、徒長が見られれば日照不足と言えます。
小面積の栽培場であっても、そのランの置き位置により採光、通風の違いがあります。
時々はランの置き位置、遮光ネット等の見直しを行うと良いでしょう。
着生後は葉焼けしない程度になるべく多く陽をとりたいので、富貴蘭であれば覆輪・花物等が適しています。
フウラン交配種を含む洋ラン系のランは、概ね根の伸長もよく、ヘゴ着けに適する種類が多いと思います。
ヘゴ着けラン修整作業
既に活着しているヘゴ着けランが年月の経過とともに、姿形を修整する必要が生じた場合の修整作業をご紹介いたします。
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